人形

伯父の遺品の人形で大型のものを業者が回収していった。

あと残りの小さな人形も箱につめてお寺に供養に出した。

自分でも家で人形の御霊が成仏するように祈った。

念を持ち自分の人生に障りを与えていたモノもあったと思う。

だが、悪いのは人形というより無差別に収集した伯父の方だから、人形には供養を行った。

姉が自分の人生が途中からおかしくなったのはこれだねと言っていたが、俺も遺品整理で初めて人形を見たときに同じことを思った。

ぬいぐるみなども同じかもしれないが、人の形をしたものは魂を宿しやすいという。

人形の場合はぬいぐるみよりも諸に人の形だから尚更。

そしてコレクターだった伯父の収集量が半端なく、これが霊障を引き起こしていたのかと見たときに思った。

それでも信仰のおかげでギリギリのところでは救われていたのだと思う。

神仏に救いを求めてもある時期から祈りが届かないと思っていたが、あの大軍が生き霊のようにこちらに障りを起こしていれば祈りなど届かないのもわかる。

とはいえ、終わってしまったことを今さら悔やんでも元の時代には帰れない。

だから、供養を行いこれから少しでも良くなればと思う。